この記事はこんな人向け
- 労働時間が多すぎる気がする…他の看護師はどうなのか知りたい
- 看護師の労働時間はどれぐらいから違法になるのか知りたい
- オンコールや夜勤回数は法律で決まってるのか知りたい
看護師は、前残業や定時直前の緊急入院による残業などあると思います。
時々なら許せても、頻繁に続くとストレスになってきますよね。
筆者自身も、急性期に勤めていた時期は前残業・定時前の緊急入院は当たり前だったので心身ともに疲弊していました。
現在は転職に成功し、のんびりと看護師を続けられています。
ここでは、看護師の労働時間について様々な角度から調査した結果をお伝えするので労働時間について知りたい方は是非参考にしてくださいね。
看護師の労働時間の現状は?
勤務体制 | 勤務時間 | 休憩時間 |
日勤 | 8時~17時 | 1時間 |
夜勤(二交代制) | 16時~8時 | 2時間 |
夜勤(三交代制):準夜勤 | 16時~24時30分 | 1時間 |
夜勤(三交代制):深夜勤 | 24時~8時30分 | 1時間 |
看護師の労働時間は、日勤は8時~17時になっています。
夜勤は二交代制だと16時~8時が基本です。
三交代制の夜勤だと、準夜勤は16時~24時30分・深夜勤は24時~8時30分が多いですね。
私が働いていた病院は、日勤8時30~17時だったよ。
でもこれって、前残業の時間は換算されてないんだよね…
実際の勤務時間はどうだったの?
私は情報収集が遅いから、8時から勤務して18時に退社してたよ。
しかも、休憩時間は45分だったし…
あれ?1時間休憩しないといけないんじゃ…?
書類上は1時間になってるけどね…15分どっかに消えたみたい(笑)
書類上は労働時間が決まってるけど、実際は残業が多く労働時間が長い場合もあります。
転職時には就業規則をよく確認して、ブラックか見極めていくようにしましょう。
【看護師の労働時間】厚生労働省の見解
看護師の労働時間に限らず、厚生労働省では人手不足解消のために「働き方改革関連法」に基づいて働き方改革支援センターを立ち上げています。
働き方改革関連法の大きな項目は3つです。
- 年次有給休暇の時季指定
- 時間外労働の上限制限
- 同一労働・同一賃金
では次の項目で1つずつ解説していきましょう。
【働き方改革】年次有給休暇の時季指定とは?
労働基準法が改正され、使用者は、法定の年次有給休暇付与日数が10日以上の全ての労働者に対し、毎年5日、年次有給休暇を確実に取得させる必要があります。
厚生労働省/働き方改革特設サイト
労働基準法が改正されたことで、有給を消化していこうという流れに変化しました。
ただし労働基準法では、使用者(師長など)が労働者に意向を確認してから有給の取得日を決めるようにと記載されています。
休み希望を出しておらず師長が勝手に休みとした日を、勝手に有給として消化される病院に居たんだよね私…
それは違法なんじゃ…
それが違法だと分からない人が多いから、そもそも指摘されず有耶無耶になってるんだよ。
知識を身に着けるって大事なんだね…身に染みるよ…
法律の仕組みや内容を知らないと、違法が違法だと分からず素通りしてしまいます。
私の場合も、分かっていれば指摘をして病欠時に有給を使用できたかもしれません。
しかし知識不足だったため、病欠時には既に有給が全て消化されており欠勤扱いになりました。
有給消化100%を謳っていた職場だったのですが、皆さんも転職時に騙されないよう気を付けてくださいね。
【働き方改革】時間外労働の上限制限とは?
残業時間の上限は、原則として月45時間・年360時間とし、臨時的な特別の事情がなければこれを超えることはできません。
厚生労働省/働き方改革特設サイト
なんと、働き方改革が成される前は時間外労働の制限はありませんでした。
そのため、今回の法律で時間外労働の上限制限が決められたのです。
月45時間の残業ってのは、1日1.5時間の残業に相当するよ
あれ?新人の時に働いてた病院は、毎日2時間以上働いてなかったっけ?
月45時間なんて軽く超えるから、残業は申請式になってたよ。
新人の残業は残業じゃない!って申請は却下されてたけどね…
新人教育をしている病院でも、ブラックかどうか見極めないといけないね。
私が勤務していた所は、申請書に時間と残業の内容を記載して師長に提出することになっていました。
しかし、適切な残業ではないと判断されるとその場で捨てられたことも。
これが当たりまえだと思っていましたが、転職後に残業申請が全て通ったことに驚きが隠せませんでした。
残業時にはどのように申請しているのか、転職時に確認しましょうね。
【働き方改革】同一労働・同一賃金とは?
正社員と非正規雇用労働者との間の不合理な待遇差が禁止されました!
厚生労働省/働き方改革特設サイト
同一労働・同一賃金により、正社員と同じ仕事量で働いている非正規雇用労働者への賃金も同一になりました。
看護師の正社員は、夜勤+基本給で稼いでいますよね。
それが夜勤なしのパートに切り替わると、基本給のみになります。
そのため、正社員と同じ仕事量をこなしていても正社員と同じ給与はもらえません。
実際に質問が多いようで、看護協会のHPに以下のようなQ&Aが掲載されていました。
同一労働同一賃金について
看護職の働き方改革の推進
- Q.11非常勤職員から「正規職員と同じように看護ケアをしているのだから同じ給料にすべきだ」と言われました
- A.112020年4月から正規職員と非正規職員間の不合理な待遇差は禁止されます(中小企業は2021年4月から)。待遇差がある場合は、その判断の元になるルールを明確化させておく必要があります。合理的な待遇差の理由としては、職務内容だけでなく、責任の範囲・程度の違いなども含まれます。例えば、夜勤、土日祝日勤務の可否、委員会等への参加、配置転換、転勤、出張等の可否、クレーム対応をするかどうかなども、待遇差の合理的な理由となります。
看護協会が回答しているように、待遇差に正当な理由がある場合には違法とはいえません。
一緒に働いていたパート看護師は、正社員と同じ仕事量なのに給与が正当じゃないということで辞めてったなぁ…
外来勤務も嫌だとなると、病院じゃない別の職場の方が働きやすいかもね
病院に縛られない働き方は沢山あるから、視野を広く持って探してほしいね
看護師の労働時間を労働基準法の観点で調査
看護師をしていると、オンコールや前残業など気になる労働時間がでてくると思います。
そこで、労働基準法の観点から看護職が抱きやすい労働時間に関する疑問を調査しました。
【看護師】オンコールは労働基準法に抵触しないの?
労働時間とは、使用者の指揮命令下に置かれている時間のことをいい、使用者の明示又は黙示の指示により労働者が業務に従事する時間は労働時間に当たる。
厚生労働省/労働基準法上の労働時間法制について
オンコールの際は職場ではなく、自宅での待機ですので指揮監督下に置かれていません。
このことから、オンコールは労働時間ではないと言えます。
ただ、オンコールにより出勤せざるを得ない場合は労働時間になりますので注意しましょう。
また、オンコールの回数に関しても特に労働基準法への記載はありません。
回数が多くても違法にはなりませんが、使用者は個人に配慮した回数を設定した方が良いでしょう。
オンコールって労働基準法に抵触しないんだ…びっくり
だからこそ、回数が多すぎる場合には交渉しようね!
【看護師】前残業は労働基準法に抵触しないの?
労働時間に該当するか否かは、労働契約、就業規則、労働協約等の定めのいかんによらず、労働者の行為が使用者の指揮命令下に置かれたものと評価することができるか否かにより客観的に定まるものである。
厚生労働省/労働基準法上の労働時間法制について
また、客観的に見て使用者の指揮命令下に置かれていると評価されるかどうかは、労働者の行為が使用者から義務づけられ、又はこれを余儀なくされていた等の状況の有無等から、個別具体的に判断されるものである。
前残業に関して調べてみましたが、労働基準法に抵触するかはケースバイケースのようです。
業務命令に基づいていたり、使用者の指揮監督下にある時間であれば労働時間として扱われ賃金が発生します。
しかし、逆の場合は労働時間と扱われないので賃金は発生しません。
自主的な前残業や、通勤の過程で早く着いたから仕事した等は、賃金が発生しない可能性があるよ!
「新人なんだから1時間前に来てやるべき!」とか、悪しき風習もあるよね?それは?
その場合も、強制はしてないから賃金が発生しない可能性が高いよ
そうか…そもそも前残業しないと成り立たないなら、始業時間変えなさいよって話なんだね。
前残業は禁止と伝えられても、勤務体制を変えていないので結局前残業しないと成り立たなかったこともあります。
しかし、管理者は前残業禁止と伝えているのでどんなに早出社しても賃金は発生しませんでした。
残業時間については、転職前に事前に確認しましょうね。
【看護師】夜勤回数は法律で上限が決まってるの?
1か月単位の変形労働時間制は、1か月以内の期間を平均して1週間当たりの労働時間が40時間以内となるように、労働日および労働日ごとの労働時間を設定することにより、労働時間が特定の日に8時間を超えたり、特定の週に40時間を超えたりすることが可能になる制度です(労働基準法第32条の2)。
厚生労働省/リーフレットシリーズ労基法32条の2
多くの医療機関では、変形労働時間制の一種である【1か月単位の変形労働時間制】を採用しています。
1か月単位の変形労働時間制とは、1か月の期間内のうち1週間当たりの労働時間が40時間以内となるように労働時間を調整できる制度です。
この制度によって、特定の日に8時間を超えたりすることが可能になります。
1か月単位の変形労働時間制を踏まえたうえで夜勤回数を確認すると、2交代制は約4回・3交代制は約8回です。
夜勤専従の場合は、月に10回前後が上限となります。
医療機関だからって、自動的に制度が適応される訳ではないから注意してね
就業規則に明記されているか・シフト作成前に周知されているか等の法的要件が満たされてる必要があるよ!
気になる人は、就業規則をもう一度読み返してみてね
労働基準監督署には匿名で相談できるのか
今の職場が労働基準法に抵触してる可能性があると感じても、個人が特定される不安を抱く方も居るでしょう。
しかし労働基準監督署へは、匿名で電話またはメールでの相談が可能なので安心してください。
ただし注意して欲しいのは、匿名ですと相談のみで調査の対応をしてくれる可能性が低いです。
労働基準監督署に調査もしてほしい場合は、匿名ではなく実名で相談すると良いでしょう。
【看護師】労働基準監督署はどこまでやってくれるの?
労働基準監督署とは、管轄内の事業所が労働関係法令を守って運用しているかを監督する機関です。
労働基準監督署に現在の病院を調査して欲しい場合は、証拠を提示しないと中々動いてもらえません。
もしも、労働基準法に抵触している可能性があると感じた場合には証拠を集めておくと良いでしょう。
まとめ
看護師として勤務していると、労働時間の面ではグレーゾーンに感じる場面が多く見受けられますよね。
労働基準法の自分に関係のある部分だけでも覚えておくと、自分を守る武器になります。
知らなければ搾取されるだけになる可能性がありますので、是非法律面の知識も身に着けておきましょう。
そして、労働基準法に抵触している可能性があるが改善される見込みが無いと感じたら転職を検討してください。
私自身ブラックな病院勤務を6年続けてきましたが、現在は転職に成功しのんびり看護師として勤務できています。
貴方の人生は一生続きますが、転職エージェントへの登録は一瞬で終わります。
ぜひ、これを機に一歩踏み出してみてくださいね。