HSPとはHighly Sensitive Personの略で、生まれつき非常に敏感な気質を持っている人を指します。
看護師という職業は、患者とのかかわりが密であるうえに女性同士の人間関係も築き上げ、急変リスクがある場合には緊張感を常に持っていなくてはならない特殊な職業です。
そのような環境下で仕事をするHSP看護師は、様々なストレスにさらされる可能性が非常に高いです。
理由は、普通の人と比べて敏感であるが故に細かいストレスでさえも拾い上げてしまうからです。
そこで、HSP看護師でもなるべくストレスフリーに仕事できる方法を伝授していきます。
複数の書籍を参考にしていますので、気になる場合には最後の参考書籍をご覧ください。
HSP看護師がストレスフリーに仕事できる方法:結論
- HSP気質について理解する
- 自分の健康を一番に考える
- 一人の時間を作る
- 自己肯定感をあげる
HSPを提唱しているエレイン・N・アーロンは、HSP気質の人がHSPについて理解すると気持ちが落ち着くことを発見しています。
つまり、自分の症状を科学的に証明されていると理解するだけで安心感を得られるのです。
心優しいHSPは、ついつい相手優先で自分を後回しにしてしまいます。
ストレスを抱えやすいHSP気質の人こそ自分を優先にすべきなのです。
次の項目から詳しく解説していきます。
HSP気質について理解する

HSP看護師だと思うあなたは、下記の項目を読んでどれだけ心当たりがあるでしょうか。
- 他の先輩達がコソコソと誰かの陰口を言っていると自分の事ではないかと思ってしまう
- 苦手な先輩と話したり関わったりすると緊張してしまう
- 機嫌の悪い先輩の態度を見て「私が何かしたかな…」と気にしてしまう
- 自分に対する態度と、他の人に対する態度を比較して「私って嫌われてるのかも…」と考えてしまう
- ちょっとした指摘でクヨクヨと考えてしまう
これらに少しでも心当たりがある場合には、HSPの可能性があります。
HSPとは、生まれつき人より敏感な感性を持っていることを指します。
普通の人の場合には特に気にもしないような事柄を、その敏感さゆえに汲み取りすぎてしまうのです。
でもさ、HSPか精神疾患か見分けはつくのかな?
HSPはあくまで気質であり、病気ではないことを示すためにHSPを見極めるDOSEという判断基準があるよ。
HSPを提唱しているエレイン・N・アーロンは、HSPについて理解すると気持ちが落ち着くと説いているので次の項目からHSPの判断基準について解説します。
より深く知って、気持ちを落ち着けていきましょう。
HSPを見極めるDOSEとは
DOSEとは、HSPは気質であり病気ではないことを示すために作られた判断基準のことです。
D/処理の深さ:少ない情報からでも他の何かと関連付けて深く考えることができる
O/刺激に敏感:騒音や強い光などの社会的刺激に対しストレスを感じる
E/情緒的反応:他人の感情を理解する力が高い。共感性が高い。
S/些細なことにも気づく:他人が気づかないような些細なことにも気が付ける
HSPは人より劣っていると感じやすいですが、DOSEの中身を見ると刺激に敏感であること以外はポジティブな面が多いです。
特に看護師は患者と関わるうえで大切な「共感力」が、HSPであれば生まれたときから備わっているのです。
また、些細なことにも気づくという面は患者の些細な体調の変化にも気が付ける洞察力にもつながります。
このように、HSPは看護師にとっては相性の良い気質であるといえます。
自分の健康を一番に考えよう

HSP看護師の場合、例えば先輩の顔色を見てイライラしているのを感じ取ると自分自身もストレスを受けてしまいます。
HSP看護師が特に健康に気をつけなければならない理由は、溜まったストレスを解放しなければ溜まり続けていき、最終的には心身に影響を及ぼす可能性があるからです。
先輩がイライラしてる…力不足で手伝えないから私に対しても怒ってるかも
みんなイライラしてる…自分何かしたかな…
このように、周囲から受ける影響が大きいため心の疲労は凄まじいスピードで蓄積されていきます。
HSPについて最初に提唱したエレイン・N・アーロンは【敏感すぎる私の活かし方】にて次のように述べています。
人は誰しも選択肢、優先順位をつけなくてはならないが、心優しいHSPは、ついつい自分を後回しにしてしまうことが多いのだ。
敏感すぎる私の活かし方/バランスの取れた行動 P.237
HSP看護師の場合には、職場の先輩だけではなく患者優先にせざるおえない場面が多々あるでしょう。
ですが、看護師も人間です。
適度にストレスを発散していくことが重要です。
ただし、職場環境が原因である場合には立場上変えられないことがあるでしょう。
職場環境が原因である場合には職場環境そのものを変えることをオススメします。
自分で探すのが面倒な人でも、プロが探してくれるオススメ転職サイトをまとめているので参考にしてみてくださいね。

一人の時間を作ろう

HSPの場合、周囲から受ける影響は普通の人と比べると倍以上であると思っていた方が良いでしょう。
友人達やパートナーと過ごす時間も大切ですが、それでも少なからずストレスは溜まっています。
ですから、HSPの場合には特に一人の時間を設けることが大切です。
HSPを最初に提唱したエレイン・N・アーロンも著書の中で次のように述べています。
敏感でないパートナーや友人との関係で、もうひとつのよくある問題は、一日の出来事を消化するために、あなたにはひとりの時間が必要だというものだ。
敏感すぎる私の活かし方/ひとりの時間 P.476
あなたがHSPであっても、相手はHSPでない可能性もあります。
話は弾んでも、HSPの立場になってすべてを理解するのは不可能に近いのです。
このことから、HSPの場合には一人の時間を設けてその日の出来事を消化していく機会を作る必要があるのです。
本を読むも良し、ボーっとするのも良し。
自身が気の休まる方法で、休息を取るようにしましょう。
自己肯定感をあげよう

HSPに関する書籍を読んでいると、必ずと言っても過言ではないほど自己肯定感をあげる必要性について書かれています。
自己肯定感が低いと、物事を歪めて認識してしまうためHSP気質と相まってさらにストレスの蓄積スピードを速めてしまうからです。
例えば、忙しく仕事をしている時に「あなた今日もステーションに全然いないよね。」と先輩から何気ない一言を言われたとします。
え…今嫌味言われた?なんでそんなに忙しそうにしてんのってこと?
仕事できない人って思われてんだろうな…
このように、一言から連想ゲームのように妄想を広げてしまい『先輩から嫌われている』という事実と異なった認識が最終的にはされてしまいます。
自己肯定感が高ければ、嫌味だと思うなら嫌味で返すこともできますし、そもそも気にしなくなるでしょう。
自己肯定感のあげ方に悩む人へオススメの書籍があるので、興味があれば参考にしてみてください。

まとめ
- HSP気質について理解すると気が楽になるからまずは知ろう
- 他人優先から自分優先に切り替えよう
- 社会的刺激を受けやすい分、一人の時間を作りストレス解消を図ろう
- 自己肯定感をあげることで認知の歪みが発生しにくくしよう
本文でも触れたように、HSP気質は「共感力」「些細なことに気づく力」「物事を深く考える力」が高いといわれています。
これらの三つの力は、看護師という職業にはとても相性が良いと考えます。
確かに看護師は人間関係のストレスや、臨機応変に動かなくてはならない緊張感に晒されるためHSP看護師は人一倍ストレス管理が重要になります。
自分に合ったストレス処理を身に着け、HSP気質を活かした看護師を一緒に目指していきましょう。
参考書籍

HSP気質について最初に発見したエレイン・N・アーロンの書籍。HSPを語るには一度は読んだ方が良い作品。
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HSP気質を持った人々の生の声を集めて、それぞれの改善策を1冊にまとめているもの。絵が豊富で読みやすい。

3つのHSP体質についてそれぞれ詳しく解決策を提示している。当てはまることが多く、人間関係改善に役立てる。

とにかくメンタルの回復方法だけを知りたい人にオススメの書籍。